<異物誤飲>

健康診断

犬や猫はボールやおもちゃ、トウモロコシの芯、りんご、布、ひも、梅干の種など様々なものを飲み込みます。特に猫は紐を飲み込むことが多く、長毛種では毛玉が塊になることもあります。これらの異物は便に排出されるものもありますが、胃や腸で引っかかり腸を閉塞させる事もあります。閉塞を起こすと食欲不振、嘔吐、下痢などの症状がでます。重症の場合はショックをおこし死亡することもあります。治療は閉塞している部位により異なります。胃内の場合、可能であれば催吐剤を内服し吐かせる処置を行います。処置出来ない場合や異物が大きい場合、腸が閉塞している場合は麻酔下で内視鏡での摘出を試みますが、それでも不可能な場合は手術で異物の摘出を行います。

◆異物を食べた
◆おもちゃの一部がなくなっている
◆元気食欲がない
◆食欲はあるが食べても嘔吐する
◆嘔吐、下痢をしている
◆お腹を押すと痛がる

閉塞している部位や程度により症状は異なります。完全に腸が閉塞していなければ、ご飯を食べるが吐く、吐いたものに血が混ざる、元気がない、食欲がない、嘔吐、下痢、便秘、便をしたそうに渋るなどの症状が見られます。完全に腸が閉塞すると、嘔吐の回数が増え、呼吸が速くなり、お腹を丸めたような姿勢をとる(腹痛)などの症状が見られます。進行するとショックを起こし死亡することもあります。

身体検査、レントゲン検査、超音波検査などを行い、腸内の異物と閉塞した腸を確認し診断します。

異物の場所や閉塞の程度により治療が異なります。

胃内に異物がある場合のみ、可能であれば催吐剤を使って吐かせます。
小腸以降に異物があったり、催吐できなければ内視鏡または手術によって異物を除去します。
閉塞部分の腸が壊死してしまった場合にはその部分の腸を切除する場合もあります。特に腸が完全に閉塞している場合は緊急手術になります。

<異物誤飲の実際の症例>

超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査
レントゲン検査
レントゲン検査
異物誤飲
異物誤飲

爪切りで来院、1週間前に毎日一日2回の嘔吐があり一度収まったが昨日から再度嘔吐があると軽く相談がありました、触診をしてみると上腹部の圧迫に対して痛みを表し、エコー検査を提案しました。
胃幽門部分に超音波を通さない約1cm3サイズの構造物を認め、レントゲンを撮影、幽門部に点状に固いものを含む同様サイズのものが認められた、複数回の嘔吐でも吐き出せていないことから、内視鏡での摘出を提案しました。摘出困難な時には胃の切開による摘出手術になってしまう状況でしたが、無事に摘出できました。
園芸用の軽石とみられるものでした。