犬と猫の重度角膜潰瘍について┃不意なケガでも発症する目の病気

犬や猫に多い病気の1つに、角膜潰瘍(潰瘍性角膜炎とも呼びます)が挙げられます。この病気は角膜に傷がついてしまう病気で、その深さによっていくつかに分類されます。軽症例では点眼薬などの内科的治療で対応できますが、重度角膜潰瘍にまで進行すると視覚に影響し、手術が必要になることもあります。 今回は犬や猫の重度角膜潰瘍について、分類ごとの原因や症状だけでなく、ご自宅でケアする際の点眼のコツなどについてご紹介します。 ■目次…

犬と猫の胆嚢粘液嚢腫について┃初期症状が分かりづらいため定期的な健康診断が重要

犬や猫の体には胆嚢(たんのう)という器官があり、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)という消化液を蓄えて、消化管に排出する働きをもっています。胆嚢粘液嚢腫は、胆汁がゼリー状に固くなったり、消化管への流出路が詰まったりすることで、胆嚢内に粘液が異常に蓄積してしまうことで起こります。薬や食事管理などの内科療法で治ることもありますが、胆嚢の限界を超えるまで胆汁がたまってしまうと胆嚢が破裂してしまい、命を落とす危険性もあるため注意が必要です。 今回は犬と猫の胆嚢粘液嚢腫について、症状や原因とともに、緊急事態を見逃さないポイントや当院での治療方針をご紹介します。 ■目次…

犬と猫の膀胱結石について|フードの種類が治療のカギに!

膀胱結石とは、様々な理由で膀胱に石がたまってしまう病気で、犬・猫ともによく発生します。特にオスでは、石が膀胱から尿道に移動して尿道が詰まりやすく、閉塞が起こると排尿困難になり食欲低下や嘔吐が見られ、放っておくと急性腎不全を発症し死に至る場合もあります。 犬や猫の膀胱結石は診断と治療が大切となりますので、今回は当院で採用している検査機器や療法食(フード)についてお伝えします。 ■目次…

犬と猫の水頭症について|身体的な特徴や症状による見分け方

水頭症とは、何らかの原因で脳室(脳内の空間)に脳脊髄液(脳と脊髄を循環する液体で、脳室から生成される)がたまってしまうことで、脳を圧迫する病気です。猫では少ないものの犬では比較的多く、主に先天性(生まれつき)の原因で発生します。脳の病気は他にもいくつかありますが、この病気を発症した動物には身体的な特徴や特有の症状があり、見分け方を知っていれば、ご家庭でもある程度推測することが可能です。 今回は犬や猫の水頭症について、病気にいち早く気づき、動物病院を受診するためのポイントを中心に解説します。 ■目次…

犬の白内障について|治療には目薬? 手術?

犬に多い病気の1つが白内障です。この病気は犬の視力に影響するため、進行すると段差につまずいたり、壁にぶつかったりと、日常生活に支障をきたします。高齢になってからだけでなく、若くても発症しさらには糖尿病が関係する場合もあるので、注意が必要です。 今回は白内障について、原因や症状とともに当院での治療法(目薬の処方や手術)をご紹介します。 ■目次…

高齢の犬や猫で注意すべき床ずれ・褥瘡について|防止策とご家庭でのケア

床ずれは褥瘡(じょくそう)とも呼ばれ、高齢の犬や猫でよく発生します。病気になっていなくても寝ていることが多くなるため、体重がかかる部分は赤くなり、次第に傷になってしまいます。こうした傷はいったん発生すると治療が困難なため、ご家庭でのケアによって防止することがとても大切です。 今回は高齢の犬や猫で注意すべき床ずれ・褥瘡について、その防止策やご家庭でのケアの方法を中心に解説します。 ■目次…

犬と猫の熱中症の症状について│初期症状や対策について解説

暑い日が続いており、飼い主さんだけでなく犬や猫でも熱中症になるケースが多くなります。犬や猫は全身が毛で覆われており、人間のように皮膚から汗をかいて体温を調節できないため、熱中症になりやすい特徴があります。また、症状が重度になると命に関わることもあるため、初期の対応が重要です。 今回はその症状や危険性とともに、対処法や予防法についてもお伝えします。 ■目次…

猫の猫伝染性腹膜炎(FIP)について|治療が難しい病気がお薬で治る可能性も

猫では治療が難しい病気として知られている猫伝染性腹膜炎(FIP)ですが、各国で様々な研究がなされ、最近では薬で治るケースも徐々に増えてきています。今回は猫のFIPに関して、その原因や症状をお伝えするとともに、過去の症例や当院でお勧めしている新たな治療薬についてもご紹介します。 ただし、これらは日本の動物用医薬品として未承認、かつ保険適用外のため、患者さん自身で購入していただくことになる旨、ご注意ください。 ■目次…

犬と猫の子宮蓄膿症について│予防のため2回目発情前の避妊手術をおすすめします

子宮蓄膿症とは、犬や猫の子宮の中に膿がたまってしまう病気で、未避妊の中~高齢の雌で多発することが知られています。重症化してしまった場合には命の危険がある一方で、適切な時期の避妊手術によって発症を予防できることがわかっているため、犬や猫の健康を守るためには予防がとても大切です。 今回は子宮蓄膿症について、原因や症状とともに当院での治療法をご紹介します。 ■目次…

犬の外耳炎について│治療期間を少しでも短縮するため、早めの受診を!

様々な理由によって外耳(耳の入り口から鼓膜まで)に炎症が起こっている状態を外耳炎といいます。犬によくみられる疾患で、主な症状として痒みが生じるため、後ろ足で耳をカリカリと引っかく様子に気づく飼い主さんも多いと思います。 今回は犬の外耳炎について、その原因や症状などに触れたうえで、当院での治療法をご紹介します。 ■目次…

犬と猫の乳腺腫瘍│悪性度が高い場合は手術しても油断せず抗がん剤治療をお勧めします

乳腺腫瘍は、犬・猫ともに最も多発する腫瘍で、いずれも中高齢(10~12歳以降)のメスに多くみられます。腫瘍は、細胞の性質や転移のしやすさから良性と悪性に分かれます。 乳腺腫瘍は、犬では良性と悪性の占める割合がおおよそ半々、猫では80~90%が悪性と言われていて、早期発見・早期治療がとても大切です。 特にメスでは、避妊手術によって発症を予防できることがわかっているため、長く健康に過ごすためにも避妊手術をご検討ください。 ■目次…

犬と猫の歯周病について│予防にはこまめなデイリーケアと年に一度の定期健診が重要!

歯周病は犬や猫で非常によくみられる病気で、3歳以上の犬・猫では約8割が歯周病とも言われています。また歯だけの問題にとどまらず、心臓病や腎臓病の原因になることもあり、悪化すると顎の骨に影響を及ぼす危険性もあります。今回はその概要を解説するとともに、ケアの方法についてもご紹介します。 ■目次…