【獣医師監修】愛犬・愛猫の足の痛みは関節炎かも?早期発見と効果的な対処法

「最近、愛犬が散歩を嫌がるようになった」「愛猫が高いところに登らなくなった」と感じたことはありませんか?もしかすると、それは関節炎のサインかもしれません。 関節炎は犬や猫にとって身近な健康問題であり、足の痛みや違和感が生活の質(QOL)に大きく影響します。特に高齢の犬や猫に多く見られますが、若い犬や猫でも発症することがあり、油断は禁物です。愛犬・愛猫がいつまでも快適に過ごせるようにするためには、早期発見と適切な治療、ご家庭でのケアがカギとなります。 今回は犬や猫に起こる関節炎について、早期発見のポイントや効果的な対処法を詳しく解説します。 ■目次 1.関節炎とはどのような病気? 2.関節炎の主な症状と早期発見のポイント 3.犬種・猫種別・年齢別の関節炎リスク 4.動物病院での診断方法 5.関節炎の治療法 6.ご家庭でできる関節炎ケア 7.まとめ   関節炎とはどのような病気? 関節炎とは、関節を動かすための軟骨や靭帯が損傷・炎症を起こし、関節が正常に機能しなくなる病気を指します。特に加齢によって起こる変形性関節症などの関節炎は、シニア期の犬や猫に多くみられますが、若い犬や猫でも発症する場合もあります。 たとえば、大型犬では「股関節形成不全」、小型犬では「膝蓋骨脱臼」などが原因で関節炎が発症するケースもあります。「関節炎=年をとってからの病気」という認識は誤りであり、若い犬や猫でも注意が必要です。 関節炎の主な症状と早期発見のポイント 関節炎の初期には、以下のような症状が現れることがあります。もしこれらの症状がみられた場合には、早めに動物病院を受診することをおすすめします。 ・朝起きたときに動きが硬く、こわばっている ・階段の上り下りをためらう ・ジャンプをしなくなった ・散歩を嫌がるようになった さらに関節炎が進行すると、次のような症状が現れることもあります。 ・足を引きずる ・足を地面に着けられない ・動かなくなる、ぐったりしている ・発熱がみられる また、これらの症状は、特に犬で顕著に現れます。一方、猫は痛みや不調を悟られないようにするため、飼い主様が症状に気づきにくいことも少なくありません。 猫の痛みを把握するための一つの方法として、猫の画像から痛みの程度を判定するAIツール「Cats…

【獣医師監修】猫の慢性腎臓病 – ステージ別食事管理と自宅でできるケア方法

慢性腎臓病は特にシニア猫に多く見られる病気で、腎臓の機能が徐々に低下していく進行性の疾患です。早期発見が難しく、症状が現れたときには病気がかなり進行していることが多いという特徴があります。しかし、適切な食事管理や在宅ケアを早くから始めることで、病気の進行を遅らせ、愛猫の生活の質(QOL)を維持することができます。 慢性腎臓病は根治が難しいため、診断を受けた飼い主様はショックを感じるかもしれません。しかし、まずはできることから始め、愛猫との生活を少しでも長く楽しむために、一緒に向き合っていきましょう。 今回は、猫の慢性腎臓病について、病気の基礎知識や症状、診断方法、在宅ケアのポイントなどを詳しく解説します。 ■目次 1.猫の慢性腎臓病とは?基本的な理解 2.愛猫の慢性腎臓病に早く気づくためのサイン 3.慢性腎臓病の診断とステージ分類 4.ステージ別の在宅ケアや食事管理の重要性 5.まとめ   猫の慢性腎臓病とは?基本的な理解 腎臓は、体内の老廃物を排出し、水分やミネラルのバランスを調整する重要な臓器です。慢性腎臓病ではこれらの機能が徐々に低下し、以下のような問題が発生します。 ・老廃物排出が困難になる ・脱水やミネラル異常、血圧の上昇が起こる ・心臓に負担がかかり、肥大型心筋症を併発することがある 猫の肥大型心筋症について詳しくはこちらをご覧ください 慢性腎臓病は中高齢の猫で特に多く、5~6歳以降に発症リスクが高まります。多くの場合は加齢による腎機能の低下が原因ですが、尿石症などの泌尿器の病気が原因となることもあります。また、まれに先天的な腎臓の奇形によって発症するケースがあります。 愛猫の慢性腎臓病に早く気づくためのサイン 慢性腎臓病の初期には目立った症状がほとんどありませんが、腎臓の機能が低下すると次のようなサインが現れ始めます。 ・多飲多尿:水をたくさん飲み、おしっこの量が増える ・食欲低下:食事を残す、興味を示さなくなる ・体重減少:体格がほっそりし、あばらが浮き出る ・被毛の艶の低下:毛並みがぼさぼさになり、艶が失われる 慢性腎臓病が進行すると、さらに重篤な症状が現れることがあります。 ・口臭:アンモニア臭がする ・高血圧:目が赤くなる、心臓のリズムに異常が出る ・神経症状:けいれんや神経過敏 これらの症状は他の病気でも見られることがあるため、自己判断は危険です。確実な診断のもとで治療を進めていくためにも、異変を感じたら、まずは動物病院で適切な検査を受けましょう。 慢性腎臓病の診断とステージ分類 慢性腎臓病を正確に診断するためには、以下の検査が必要です。 ・血液検査:BUN、クレアチニン、SDMAなど腎機能を示す数値を確認 ・尿検査:尿比重や尿たんぱくなどを測定 ・血圧測定:腎臓への負担を評価 ・エコー検査:腎臓の状態を画像で確認 これらの検査結果を総合的に判断し、慢性腎臓病の進行度を評価します。 進行度は「国際腎臓病学会(IRIS)」によってステージ1〜4に分類されており、ステージごとに治療方針が異なります。そのため、定期的に検査を実施し、愛猫がどのステージにあるのかを把握することが大切です。 <慢性腎臓病のステージ分類> ステージ1:腎障害はあるものの、一般的に無症状。腎機能は33%以上。 ステージ2:無症状もしくは軽い症状が現れる。腎機能は25~33%。 ステージ3:さまざまな症状が出現。腎機能は10~25%。 ステージ4:重度の症状が現れる。腎機能は5~10%。 <治療方針と定期検査の重要性> 慢性腎臓病の治療では、病気の進行をできるだけ遅らせ、愛猫が快適に過ごせるようにサポートすることが目標です。特に重要なのが、ステージ2以下の状態をいかにキープするかという点です。 飼い主様の中には、「ステージ2だからまだ大丈夫」と安心される方もいらっしゃいますが、実際にはステージ2の時点で腎機能の7割が失われているため、決して油断できない状況です。腎臓の機能は一度低下すると回復が難しく、放置すると急速に悪化するリスクがあるため、ステージの初期段階で治療を始めることが非常に重要です。 当院では、慢性腎臓病が発症した際には、できる限りステージ2以下の状態を維持できるように治療プランを策定しています。定期検査を通じて進行具合を把握し、状況に応じた対策を講じることで、愛猫の健康をサポートいたします。 ステージ別の在宅ケアや食事管理の重要性 慢性腎臓病は進行性の病気であるため、ステージに応じた適切なケアが欠かせません。 特に食事療法は、慢性腎臓病の管理において最も重要な要素の一つです。腎臓への負担を減らすためには、たんぱく質、リン、ナトリウムの量を調整することが求められますが、筋肉量が減少するとかえって病状が悪化するリスクもあるため、バランスの取れた管理が必要です。当院では、腎臓の数値を上げないように工夫しながら、適度なたんぱく質も補えるような食事指導を行っています。 さらに、近年注目されているAIMたんぱく質の摂取が腎臓病の進行抑制につながる可能性が指摘されており、今後の治療選択肢として期待されています。 <ステージ別ケアのポイント> 慢性腎臓病の管理では、病気の進行を遅らせるための予防的ケアから、症状を和らげるためのサポート、終末期のQOL維持まで、各ステージに応じたアプローチが求められます。 ▼初期(ステージ1~2):予防的ケアと食事管理 この段階では予防的ケアを中心に考えます。たんぱく質やリン、ナトリウムの含有量を抑えた腎臓病用療法食を取り入れることで、腎臓への負担を減らす効果が期待できます。 また、食事だけでなく水分補給を意識することが重要です。特に猫はもともと水をあまり飲まないため、ウエットフードやふやかしたドライフードを与えるなどして、水分摂取量を増やす工夫をしましょう。 ▼中期(ステージ3):症状緩和を目的としたケア ステージ3になると、症状が顕著になりやすいため、症状緩和を重視したケアが求められます。特に貧血や消化器症状が現れることがあり、食欲が低下しやすいため、嗜好性の高い療法食や、フードを温めて香りを引き立たせる工夫が効果的です。 また、水分摂取をより意識し、スープタイプのフードや水分を多く含むウエットフードを活用することで、脱水を防ぎ腎機能をサポートします。栄養が偏らないように、獣医師の指導のもとでサプリメントを適切に使いながらケアを進めましょう。 ▼末期(ステージ4):QOL維持を目指すケア 末期段階では、愛猫ができるだけ快適に過ごせる環境を整えることが最優先です。 この時期には、食欲が極端に低下することが多く、必要に応じて栄養チューブの使用を検討します。無理に食べさせるのではなく、少量でも摂取できる工夫が重要です。 また、体調の変化が激しい時期ですので、こまめな体調チェックと痛みや不快感の管理を徹底しましょう。獣医師と連携しながら、適切な治療プランを調整していくことが大切です。 まとめ 慢性腎臓病は進行性の病気ですが、早期発見と適切な管理を行うことで、病気の進行を遅らせ、愛猫が穏やかに過ごせる時間を延ばすことが期待できます。 特に食事管理や在宅ケアは、慢性腎臓病の管理において最も重要な要素です。ご家庭でのケアを怠ってしまうと、病気が進行してしまい、愛猫が非常に苦しい最期を迎えてしまうケースも少なくありません。当院でも、症状が進んでからご相談に来られ「もっと早くケアを始めていれば」と後悔される飼い主様を何度も見てきました。この記事をご覧の飼い主様には、同じ後悔をしてほしくないと心から願っています。 愛猫の健康を守るためには、少しでも気になる変化があれば早めに動物病院を受診し、一日でも早く適切なケアを始めることが大切です。気になる症状がある際には、ぜひ当院にもお気軽にご相談ください。丁寧な診断とサポートを通じて、愛猫と飼い主様が少しでも長く快適に過ごせるようお手伝いさせていただきます。 <参考文献> 原田佳代子.…

犬・猫のノミ感染を見逃さない!フンの特徴から予防対策まで

犬や猫に影響を及ぼす寄生虫の中でも、特に厄介なのがノミです。ノミが寄生すると強いかゆみを引き起こし、ひどくなると皮膚炎や貧血などの健康トラブルにつながります。さらに、ノミは感染症の原因となる病原体を運ぶこともあり、放置すると健康リスクが高まるため早期発見と予防がとても重要です。 しかし、成虫のノミは動きが素早く、毛の中に隠れてしまうため見つけにくいものです。そのため、感染初期のサインとしてノミのフンをチェックすることが早期発見につながります。 そこで今回は、愛犬・愛猫の健康を守るために知っておきたい、ノミのフンの特徴や発見方法、予防策について解説します。 ■目次 1.ノミのフンとは?特徴と見つけ方 2.ノミのフンを見つけたら?正しい対処法 3.なぜノミに注意が必要なの?健康への影響 4.効果的な予防対策と日常のケア方法 5.まとめ   ノミのフンとは?特徴と見つけ方 ノミそのものを見つけることは難しいかもしれませんが、ノミのフンには特徴があるため、ご家庭でも簡単に確認することができます。 <ノミのフンの特徴> ・黒く細かい粒状(ゴミやホコリと間違えやすい) ・水に濡らすと茶色や赤茶色に変わる(血液が含まれているため) <ノミのフンの見つけ方> 1.…

犬・猫の定期的なエコー検査が必要な理由|獣医師が解説する重要性と頻度

愛犬・愛猫が健康で長生きするために、病気を未然に防ぐ「予防医療」が注目されています。私たち人間と同じように、犬や猫も定期的な健康チェックを受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。 動物病院では、血液検査やレントゲンなどさまざまな検査を行いますが、中でもエコー検査(超音波検査)は体に負担をかけずに多くの情報を得られる優れた検査方法のひとつです。 今回は、エコー検査に焦点を当てて、基本情報やメリット、どのような病気の早期発見につながるのか、そして当院で取り扱っている検査器具についてご紹介します。 ■目次 1.エコー検査とは?動物病院での検査の流れ 2.犬や猫にエコー検査が必要な理由 3.どれくらいの頻度で検査すべき?年齢別の推奨頻度 4.エコー検査でわかる主な病気と症状 5.当院で導入しているエコー機器のご紹介 6.まとめ   エコー検査とは?動物病院での検査の流れ エコー検査(超音波検査)とは、高い周波数の音波(超音波)を体に当て、その反射を画像として映し出す検査です。レントゲンのように放射線を使わず、安全に体の内部を観察できるのが大きな特徴です。 <検査の流れ> 検査では、専用のプローブ(超音波を出す装置)を首・胸・お腹などに当て、臓器の状態などを確認します。より鮮明な画像を得るために、ゼリーやアルコールで皮膚や毛を濡らしたり、必要に応じて毛の一部を刈ることがありますが、検査自体に痛みはありません。 エコー検査は、体を傷つけることなく臓器の状態をリアルタイムで確認できるため、愛犬・愛猫への負担が少ない検査方法のひとつです。 犬や猫にエコー検査が必要な理由 エコー検査は、血液検査やレントゲンでは分かりにくい臓器の構造や動き、血液の流れなどを詳しく観察できます。特に、心臓や内臓の状態をリアルタイムで把握できるのが大きな利点です。 例えば、心臓のエコー検査では、血液の流れや弁の動き、心臓の収縮の様子を詳細に確認できます。高齢の犬では、「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓病がよく見つかりますが、この病気は初期段階では症状が目立ちにくく、症状に気づかず進行しているケースが少なくありません。エコー検査では初期の弁の異常も発見できるので、より早期から治療を始められ、犬への負担を軽減してQOL(生活の質)を高めることにもつながるため、定期的なエコー検査が重要な役割を果たします。 また、胆嚢や脾臓の異常、腫瘍なども、エコー検査で早期に発見できることがあります。症状が出る前の段階で病気を見つけられれば、治療の選択肢が広がり、愛犬・愛猫の負担を減らせる可能性が高まります。 どれくらいの頻度で検査すべき?年齢別の推奨頻度 エコー検査をどれくらいの頻度で受けるべきか悩まれる飼い主様も多いかと思います。当院では、以下の頻度での定期検査をおすすめしています。 ・健康な成犬・成猫(7歳未満):年1回 ・または7歳以上のシニア…

犬の皮膚がうろこ状になる理由とは?症状別の受診目安と予防法

愛犬の皮膚がうろこ状になっているのを見つけて「何が起こっているんだろう…」「自分に何かできることはないかな…」と不安を抱く飼い主様も多いのではないでしょうか。 犬の皮膚は健康状態を映し出すバロメーターです。皮膚や被毛の異常が、時には内臓の病気を示唆することもあるため、早期に動物病院で検査を受け、適切な治療を進めることが愛犬の健康を守る鍵となります。 今回は、犬の皮膚がうろこ状になる主な原因や、ご家庭でのケア方法、動物病院を受診する目安について詳しく解説します。 ■目次 1.健康な犬の皮膚とは?正常な状態を知ろう 2.皮膚がうろこ状になる主な原因 3.注意が必要な疾患 4.治療について 5.ご家庭でできるケアと予防法 6.動物病院への相談・受診のタイミング 7.まとめ   健康な犬の皮膚とは?正常な状態を知ろう 健康な犬の皮膚は、以下のような特徴があります。 ・触り心地:つるつるしていて滑らか。 ・色:薄いピンク色。 ・弾力:指で押すとしっかりとはね返る。 普段から愛犬の皮膚の状態を確認し、正常な状態を把握しておくことが、異常に早く気づくための第一歩です。 皮膚がうろこ状になる主な原因 犬の皮膚がうろこ状になる理由として、以下のようなものが挙げられます。 <乾燥> わたしたち人間も、乾燥すると手がカサカサして、うろこのように見えることがありますよね。犬も同じで、冬の乾燥した季節や、湿度の低い室内環境では、皮膚が乾燥してうろこ状に見えることがあります。これはいわゆるフケの一歩手前で、皮膚の表面を覆う細胞が角化(潤いがなくなること)し、ひび割れのような状態です。ここで注意が必要なのは、フケとカサブタとの違いです。フケは皮膚の表面を覆う細胞が新しく生まれ変わる過程でできる古い細胞ですが、カサブタは皮膚からの出血が固まってできたものです。 <皮膚の炎症やアレルギー> アレルギー反応や皮膚の炎症が起こると、皮膚のバリア機能が破壊され、外部刺激に対して敏感になります。その結果、皮膚がうろこ状に見える場合があります。特にアレルギー性皮膚炎はかゆみを伴うことが多く、犬が頻繁に体を掻くようになるのが特徴です。また、炎症が長引くと細菌や真菌の二次感染を引き起こし、症状が悪化することもあります。 <栄養状態の不良> 栄養が不足していると、皮膚の細胞の新陳代謝が正常に行われず、うろこ状に見えることがあります。特に、タンパク質や脂肪酸、ビタミン類が不足すると、皮膚の健康が損なわれやすくなります。例えば、オメガ3脂肪酸は炎症を抑え、皮膚を保護する効果がありますが、これが不足すると皮膚の乾燥や荒れを招くことがあります。 <加齢> 高齢犬は、皮膚に潤いを閉じ込める保湿成分が減少しやすく、表面が乾燥してうろこ状になることがあります。また、代謝が低下することで、新しい皮膚細胞の生成が遅れ、古い細胞が皮膚表面に残りやすくなることも原因の一つです。高齢期に入った愛犬には、皮膚の保湿を意識したスキンケアとともに、定期的な健康診断で全身の健康状態をチェックすることが大切です。 注意が必要な疾患 皮膚がうろこ状になる原因が乾燥や栄養不足であれば、ご家庭でのケアで改善する場合があります。しかし、以下のような疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。 <アレルギー性皮膚炎> 食物アレルギーやハウスダスト、ノミ・ダニなどが原因となることが多く、強いかゆみを伴う場合があります。皮膚の赤みや炎症、脱毛などの症状が現れることが特徴です。早期に原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。 アレルギー性皮膚炎について詳しくはこちらをご覧ください <皮膚感染症> 細菌や真菌(カビ)による感染が一般的です。特に湿気が多い季節や皮膚に傷がある場合に発症しやすいです。感染が進行すると皮膚が赤く腫れたり、膿が出ることもあります。適切な診断と抗菌薬・抗真菌薬を用いた治療が必要です。 <ホルモンバランスの乱れ> クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や甲状腺機能低下症などのホルモン異常が原因の場合もあります。これらの疾患では、かゆみを伴わないのが特徴的です。血液検査やホルモン検査による診断が必要です。 クッシング症候群について詳しくはこちらをご覧ください 甲状腺機能低下症について詳しくはこちらをご覧ください <自己免疫性疾患> 他の病気と比べると発症は稀ですが、免疫系が自身の皮膚組織を攻撃してしまうことで起こります。症状が他の皮膚疾患と似ているため、除外診断を重ねる必要があります。診断には時間がかかることが多い、診断が難しい疾患です。 治療について 犬の皮膚がうろこ状になっている場合、原因に応じた治療を進めます。治療の流れとしては以下の通りです。 1.…

獣医師が警告! 猫が口で呼吸している? 原因と対処法を徹底解説

犬では「ハアハア」と口を開けて呼吸する様子をよく見かけますが、猫ではほとんど見ることはありません。そのため、猫が口呼吸をしている場合は、危険な状態である可能性が高いといえます。口呼吸の原因は多岐にわたるため、まずは動物病院で検査をして何が原因になっているのかを突き止め、迅速に対応することがポイントになります。 今回は口呼吸の原因やその対処法について、獣医師の視点から詳しくお伝えします。 ■目次 1.猫の正常な呼吸とは?…

獣医師が教える! 犬の血便の原因と対処法┃早期発見のポイントとは?

愛犬の便に血が混じっているのを見つけたとき、「何か重大な病気かも…」「このまま血が止まらなかったらどうしよう…」と心配される飼い主様も多いかと思います。この「血便」はさまざまな原因で起こり、適切な対応が重要です。 今回は犬の血便の原因や対処法について、獣医師の観点から詳しくお伝えします。 ■目次 1.血便とは?…