ノミ・マダニ予防の重要性について┃暖かくなると活発化する
外の気温がだんだんと高くなると、ノミ・マダニがたくさん発生してきます。これらは外部寄生虫と呼ばれ、犬や猫の皮膚について、吸血するとかゆみや皮膚の炎症を生じるだけでなく、人獣共通感染症の原因となる病原体を運ぶ危険性もあるため、予防がとても大切です。
今回はノミ・マダニが発生しやすい場所や予防の重要性などについて、詳しくお伝えします。
ノミ・ダニの発生場所
ノミやマダニは暖かい場所を好み、冬の間はじっとしていますが、春先になると活動を始めます。
主に草むらや藪に棲息しているため、犬とお散歩するときには注意が必要です。また、もともと外にいたノミ・マダニが人の衣服などにくっつき、家の中に連れて帰ってしまうと、カーペットや布団などに棲みついてしまう可能性もあります。
そのため、完全室内飼いの猫でも必ずしも安全ではないことをご理解ください。
ノミ・マダニ予防が必要な理由
ノミやマダニは、動物の皮膚に寄生して血を吸う外部寄生虫です。
〈ノミの場合〉
ノミの唾液に対してアレルギー反応が起きることで皮膚炎を生じます。それ以外にも、瓜実条虫という内部寄生虫やヘモプラズマという原虫を媒介し、健康に悪影響を及ぼすことが考えられます。
〈マダニの場合〉
マダニの場合、吸血による刺激から皮膚炎を起こします。さらにノミよりも大量に吸血するため、多数のマダニが寄生すると貧血を起こすケースもあります。
それ以外にも、バベシアという原虫や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因ウイルスを媒介するといわれています。特にSFTSは致死率の高い人獣共通感染症として知られています。この病気は西日本に多く発生していますが、関東地方でも遺伝子検査レベルでは発生しているため、注意が必要です。千葉では2021年に人での感染例も見つかっています。
また最近では2023年で富山で感染例があり、人から人への感染も確認されています。
このように、ノミ・マダニが寄生すると人や動物に様々な健康被害を及ぼす危険性があるため、予防が重要になります。
ノミやマダニの予防方法
犬や猫のノミ・マダニによる病気を予防するためには、生活環境の見直しとノミ・マダニの駆除薬を適正に使用することが大切です。
〈駆虫薬製品〉
・スポットオン剤
・チュアブル
・錠剤
ノミやマダニは暖かい室内であれば冬でも繁殖する危険性があります。万全にノミ・マダニ予防をするためにも、1年中1ヶ月に1回予防することをおすすめします。
〈生活環境の見直し〉
・掃除機を頻繁にかける
・ペット用品の洗浄
・ベッドや布団を定期的に洗濯する
ノミ・マダニを見つけたらどうすればいいのか
愛犬愛猫にノミが寄生していると、ノミそのものや、毛に付着した黒っぽい糞を見つけることができます。ノミの寄生を発見できたら早めに動物病院を受診して、駆虫薬で治療を始めることをお勧めします。治療後にはシャンプーで皮膚や毛をきれいにすることも大切です。
マダニがついている場合は、飼い主様自身で取ろうとせず、動物病院にご来院ください。マダニは吸血する際に、セメント状の物質を分泌して皮膚に強固に固定します。そのため、自力で取り除こうとすると、マダニの一部が皮膚に残ってしまい、その部分がしこりになり、最悪の場合手術になることもあります。
まとめ
ノミ・マダニが犬や猫に寄生すると、皮膚の問題だけでなく、私たち人に感染しうる病気を引き起こす可能性があります。愛犬愛猫に適したノミ・マダニの予防薬はどれか、予防時期についてなど、気になることがあれば当院までご相談ください。
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