犬・猫がごはんを食べない…様子見でいい?食欲不振の原因とエコー検査で分かること

「急にごはんを食べなくなった」
「食欲は落ちているけれど、どこまで様子を見ていいのか分からない」

このような変化に不安を感じてご相談に来られる飼い主様は少なくありません。

犬や猫の食欲不振は比較的よく見られる症状ですが、その背景にはさまざまな病気が隠れていることがあります。また、血液検査だけでは分からない異常が、エコー検査(超音波検査)によって見つかることもあります。そのため「食べない」という症状に対しては、原因を丁寧に見極めていくことが大切です。

今回は、犬・猫の食欲不振で注意したいサインや考えられる原因、エコー検査で分かること、動物病院での検査や治療の考え方について詳しく解説します。

 

【結論】食欲不振は「元気があるか」だけで判断しないことが大切

いつもより食欲がなくても、少しは食べていたり、食欲以外は普段どおりに見える場合は、様子を見たくなることもあるかもしれません。しかし、元気があるように見えても、体の中では病気が進行しているケースがあります。

特に、次のような場合は早めの受診をおすすめします。

水も飲まない
嘔吐を伴う
数日単位で続いている
子犬・子猫、高齢
持病がある
短期間で体重が5%以上減少している
必要なエネルギー量(RER)の60%程度しか食べられていない状態が3日以上続いている

特に猫では、食べない状態が続くことで「脂肪肝」などの深刻な状態につながることもあります。そのため、場合によっては無理にでも栄養を入れる必要があるケースもあります。

食欲不振は「病名」ではなく「症状」です。背景にどのような原因があるのかを早めに確認することで、体への負担を抑えた治療につながることも少なくありません。

犬・猫の食欲不振で考えられる主な原因

犬や猫の食欲不振には、さまざまな原因があります。

例えば、比較的多いのは消化器のトラブルです。胃腸炎や異物誤食、膵炎、腸閉塞などでは、吐き気や腹痛によって食欲が落ちることがあります。猫では毛球症(毛玉による消化管トラブル)が関係しているケースもあります。

異物誤食について詳しくはこちらをご覧ください
膵炎について詳しくはこちらをご覧ください

また、肝臓・腎臓・胆のう・膵臓などの内臓疾患や、アジソン病、甲状腺機能低下症のようなホルモンの病気糖尿病などでも食欲不振が見られます。

アジソン病について詳しくはこちらをご覧ください
甲状腺機能低下症について詳しくはこちらをご覧ください
糖尿病について詳しくはこちらをご覧ください

そのほかにも、

腫瘍性疾患
感染症
歯周病や口内炎などの口腔内トラブル
ストレスや環境変化
加齢による変化
関節炎やヘルニアなどの痛み

など、原因は多岐にわたります。

このように「食べない=胃腸炎」と単純に決めつけられるものではありません。見た目だけでは分からない病気も多いため、必要に応じて検査を組み合わせながら原因を見極めていくことが大切です。

エコー検査(超音波検査)で分かること|食欲不振の原因特定につながるケース

エコー検査(超音波検査)は、お腹に超音波を当てて、体の中の状態を確認する検査です。比較的苦痛が少なく、基本的には麻酔をかけずに行えることが多いため、犬・猫への負担を抑えながら検査を進めやすいという特徴があります。

また、レントゲンやCT、MRIと異なり「動いている状態」をリアルタイムで確認できることも大きな特徴です。腸の動きや胆のうの状態、血流の変化なども観察することができます。

食欲不振では、次のようなケースでエコー検査が役立つことがあります。

異物誤食
膵炎
胆のう疾患
腫瘍
腸の動きの異常
腹水の有無 など

例えば、血液検査では大きな異常が見られなくても、エコー検査で腸閉塞や胆のうの異常が見つかることもあります。

もちろん、エコー検査だけですべてが分かるわけではありません。実際には、血液検査やレントゲン検査などを組み合わせることで、より精度の高い判断につながります。

エコー検査について詳しくはこちらをご覧ください

ナガワ動物病院での検査と治療の考え方|「なぜ食べられないのか」を丁寧に見極める

当院では、まず問診や身体検査を行い、全身状態を確認します。

・いつから食べないのか
・何なら食べるのか
・嘔吐や下痢はあるか
・体重は減っていないか

などを丁寧に確認したうえで、必要に応じて血液検査・レントゲン検査・エコー検査を組み合わせながら原因を探っていきます。

食欲不振の原因によって、必要な治療は異なります。

例えば、

点滴による脱水改善
吐き気止めの使用
消化に配慮した食事管理
内科治療
外科治療

など、その子の状態に合わせて対応を行います。

当院では「とりあえず食欲を出す」という対症療法だけではなく、なぜ食べられないのかを見極めることを重視しています。

そのため、症状だけで判断するのではなく、エコー検査を含めた画像診断を組み合わせながら、原因を丁寧に確認していきます。また、検査結果と全身状態を踏まえ、その子に合った治療方針を飼い主様と一緒に考えていくことを大切にしています。

よくある質問

Q. 少しでも食べていれば様子見で大丈夫ですか?
好きなものだけ食べる場合でも、体調不良が隠れていることがあります。特に、体重減少がある場合や、必要なエネルギー量を十分に摂取できていない場合には、早めの対応が必要になることもあります。

Q. 血液検査で異常がなければ安心ですか?
血液検査はとても重要な検査ですが、病気によっては初期段階では数値に異常が出にくいこともあります。肝臓や腎臓、炎症の有無などは血液検査で分かることがありますが、それだけでは判断できないケースもあるため、必要に応じてエコー検査などを組み合わせて確認していきます。

Q. エコー検査は痛くありませんか?
エコー検査は比較的負担の少ない検査で、基本的には麻酔なしで実施できます。状態を見ながら進めていくため、検査が初めての子でも受けやすい検査のひとつです。

まとめ|「少し様子を見る」前に

犬・猫の食欲不振は比較的よく見られる症状ですが、その背景にはさまざまな病気が隠れていることがあります。特に、嘔吐や元気低下を伴う場合や、子犬・子猫、高齢の犬・猫では、早めの受診が重要になることも少なくありません。

また、血液検査だけでは分からないケースでも、エコー検査によって原因が見えてくることがあります。

当院では、エコー検査を含めた画像診断を組み合わせながら、原因を丁寧に見極め、その子に合った対応をご提案しています。「何となく食欲がない」「どこまで様子を見てよいか分からない」と感じたときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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